寒い寒いといいながらもいつの間にやら、風薫る早春、3月になってきました。
「たぬち庵」の裏庭の梅の木の蕾も膨らみ、香しい白い花を咲かせています。
現在では体の「冷え」が、さまざまの病気を引き起こす原因になっていることは
よく知られています。
四季の移り変わりのある日本に住む私たちにとって、「体が冷える」と言えば
当たり前のように「冬」を思い浮かべますね。
今の時代はどうでしょう。あらゆるところにエアーコンが供えられています。
真夏でも建物や乗り物の中は適度に冷房されて、快適な暮らしです。
それどころか、エアーコンが効きすぎて寒いといった状況によく出くわします。
汗もかかないに薄着をして、冷たい飲み物や食べ物を摂取すれば体にたまった
水分も排出できず、これがまた体内を冷やす要因になっているのです。
「夏こそ体がよく冷える」という、かつてなかった現象が定着しているのです。
エアーコンの普及は、さらなる功罪もある。
屋外、室内の温度差があまりに大きいから、体温を調整する自律神経が狂ってしまいます。
自律神経のバランスが崩れると、からだの疲れも取れません。
その他、肩こりや消化機能の変調、寝つきが悪くなり睡眠不足などさまざまの病気を引き起こす。
漢方医学では、「体の冷え」をたいへん重要視しています。
体を温める食物を「陽性食品」といい、逆に体を冷やす食物を「陰性食品」として分け、
病気の予防や、健康増進役立ててきた伝承の歴史があります。
体を冷やす「陰性食品」の代表的なものには以下のようなものが紹介されています。
A南方系の食べ物 ーーーーー パイナップル、バナナ、トマト、きゅうり、カレーなど
B白、青、緑色の食べ物ーーー 白砂糖、クリーム、うどん、葉野菜など
C軟らかい食べ物 −−−−− パン、マヨネーズ、バター、ケーキなど
D科学調味料・サプリメント・化学薬品
これらは、あくまで体温を冷やすもので、身体に悪い食品ということではありません。
毎日の食生活を振り返ってみれば、なんとたくさんの体を冷やす「陰性食品」に
囲まれて生活していることだろう。
昔と違い欧米風の食生活が定着し、インスタント食品や冷凍食品の普及などによって
一世代まえとは大きく違う食文化が発達しています。
現代人は総じて、体を冷やす「陰性食品」に囲まれて生活し、取りすぎで健康を害しています。
これらを避けた食事は、もはや成り立ちません。
健康で長生きするには、「食生活の工夫」をすることはとても大切です。
その意味でも、体温を上げる作用に優れた効果を持つ「しょうが」は、
現代人に不可欠の食材なのです。
「しょうが」を意味する英語の「Jinger」を辞書で引いてみると
【名】 意気 軒高 元気 気骨
【動】 〜を活気付ける、〜を励ます、しょうがで味付けをする。
などと書かれていますから、もともと人間の体を元気にしてくれる食べ物なんですねえ。
たぬち庵式「しょうが健康法」、また次回ご紹介します。
「たぬち庵」 思い出のミュージック・ルーム
心に残る歌声は 時空を超えて
記憶の彼方へと 誘ってくれます。