遠くなり 近くなる 水音の一人 山頭火
山頭火の旅日記によれば、昭和11年5月12日、旧碓氷峠の山中で道に迷い、さまよい歩いた時の句である。
一人てくてく歩いていますと、景色は変り、あちらこちらに谷水が流れまた滝にも出あいます。
通り過ぎてシンとした森などに入り水音から遠ざかり、またひとつ新たな水音が聞こえてくる。
山歩きをする方には、この句の情景がよくわかるでしょう。
なにしろ三頭火は、いつもひとりで放浪の旅です。笠をかぶり粗末な法衣に草鞋(ワラジ)ばきです。
遠くなり近くなる水音は、山道を歩く孤独を慰めてくれると同時に、一人ぼっちの孤独をかみ締めたのに違いありません。
ひとり、あるがままの自然と孤独を愛する「たぬち庵爺さん」のお気に入りの一句です。
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