14日に福島原発所で、作業員に犠牲者が出たと報じられた。
そこでの菅首相の第一声は、しらじらしくもこう言ったのです。
「原因が放射能被害かどうかしっかりと確かめてもらいたい。」と。
http://mainichi.jp/select/weathernews/
20110311/nuclear/news/20110514k0000
e040044000c.html
「やれやれ!放射線被ばく死でなくて、よかった。」
管さん、冷や汗ふいて、一件落着か
なんて言ってる場合じゃないよっての。
それが過労からくる死亡であることは容易に想像できるのに、
「放射線の犠牲者でなければひとまず安心だ。」、といわんばかり
の菅首相の第一声に、私は菅首相の人間性をみた。
放射能汚染の被害で死者が出たら、責任を取らされるとの
思いがとっさに頭をよぎった故の発言です。
何か異変の情報が入ったら、まず自分自身の「いいわけ」から
あるいは責任逃れから、始まっていきます。
このことは、首相就任以来の一貫したやり方なのです。
放射線の直接の被害でなかったら、おれの責任は無いのか。
なぜ、人災以外のなにものでもない福島原発の復旧に携わる
尊い人命が失われたという事実に向き合わないのでしょう。
人の上に立つ資格のないリーダーを持つ国民は不幸です。
5月17日の報道に、原発災害にかかわる活動に派遣される自衛隊
員の手当を一日4万2千円とする方針を政府が固めたという記事
があった。
今回の災害派遣活動に携わる自衛隊員の手当てが少ないという声が
自衛隊応援団の中から出ていたそうですが。
それに応えた政府の決定は、一斉に引き上げられる諸手当の中
でも、原発敷地内での活動の手当ては、格段に高くする。
手厚くするのはいい事です。原発敷地内の作業は、放射能汚染の危険が
非常に高い。この非常事態だから、従来より基準をわざわざ高くした。
言い分が、しっかり反映してもらえる国の機関の要望はきまりよく
決定も早いですな。
しかし、真っ先に手当てを講じる対象は、もっと危険な状況で、
もっと過酷な仕事をさせられている派遣作業員ではないのか。
私は犠牲になった作業員の日当はわかりません。労働災害の補償が
どうなっているかは知りません。
私が知っている事は、自衛隊員の手当てが大幅に引き上げられたという
その事実だけです。
自衛隊は一つの巨大な国家組織である。イラク派遣を契機に危険な
状況に派遣される隊員への処遇は、随分とよくなっています。
それはとりもなおさず、自衛隊員が国家公務員であるからだ。
家族を含めて100万人を超える巨大組織であるからだ。
それに比べて、何の組織も持たず、東電の下請け会社の
そのまた孫請けから、募集されている原発事故作業員は
誰も本気でその処遇を考えてくれる者はいない。
極めつけの弱者なのです。中には原発施設内作業ではない
つもりで応募したものもいるそうです。
政権交代で、期待されたことの一つは、このような弱者の国民に
対して配慮が注がれることではなかったのか。
今なお、弱者は見捨てられたままだ。何処が
「国民の生活をよくする。国民のための政治」なのか。
国難の最先端で、働いた死者に慰めの言葉より先に何があると言うのか。
この国の政治の貧困さは、ますますひどくなっていくように見える。
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