遠くなり 近くなる 水音の一人 山頭火
山頭火の旅日記によれば、昭和11年5月12日、旧碓氷峠の山中で道に迷い、さまよい歩いた時の句である。
一人てくてく歩いていますと、景色は変り、あちらこちらに谷水が流れまた滝にも出あいます。
通り過ぎてシンとした森などに入り水音から遠ざかり、またひとつ新たな水音が聞こえてくる。
山歩きをする方には、この句の情景がよくわかるでしょう。
なにしろ三頭火は、いつもひとりで放浪の旅です。笠をかぶり粗末な法衣に草鞋(ワラジ)ばきです。
遠くなり近くなる水音は、山道を歩く孤独を慰めてくれると同時に、一人ぼっちの孤独をかみ締めたのに違いありません。
ひとり、あるがままの自然と孤独を愛する「たぬち庵爺さん」のお気に入りの一句です。
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碓氷峠は近所です。
この辺りは今でも険しい原生林が広がっています。
碓氷峠の近くにお住まいですか。きっと良い環境のところなんでしょうな。
私は山陰・鳥取市から山陽側・津山市まで1時間ばかりかけて、頻繁に里帰りします。やはり中央あたりは黒尾峠という峠越えをします。
昔はつずら折れのカーブが多く、大変な難所でしたが改良されて、今はいい道路になりました。時折、廃止になっている旧道の深い森などに入って、好きな三頭火の句に浸る場所を探し、カメラに収めます。
この峠のあたりは「智頭杉」で有名なところで「サントリーウィスキー」の樽の一部(蓋)の材料に、ここの杉が使われています。
それじゃ、また。コメントどうもありがとうございます。 たぬち庵